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払沢の滝(ほっさわのたき)の四季

Seasonal scenery of Hossawa falls

ライター:檜原村観光協会(鈴木彩瑛)

檜原村といえば、東京都内とは思えないほどの豊かな自然があります。自然といえば、生い茂る木々や澄んだ水の清流や滝があります。

自然が溢れる檜原村の中でも特におすすめな場所は、東京都で唯一「日本の滝百選」に選ばれた「払沢の滝(ほっさわのたき)」です。

払沢の滝は4段にわたって流れ落ち、全体の落差は約60mです。ですが、私たちが見られるのは一番下の落差約26mの部分で、木々の葉が落ちている時期は下から2番目の段も見ることができます。60mの滝と思ってみると、あれ?小さくない?となりますのでご注意ください…。本当はもっと上から滝は始まっていますが、全体の半分くらいを見ることができるのです。

直下型で美しい払沢の滝、実は季節や気候によって異なる表情を楽しむことができるのはご存じでしょうか。檜原村で出会えるどの自然もそうですが、払沢の滝は特に季節によって景色が変わります。

今回は季節によって変わる遊歩道の景色、水量など滝周辺の様子をご紹介します。

春の払沢の滝

一般的に春は3月から5月頃だと思いますが、3月はじめの払沢の滝はこんな感じ。

ちょっと寂しいですよね。2月の終わりごろからスギ花粉が飛び始めたり、春を知らせる花が咲き始めたりしますが、そのころの払沢の滝はまだ冬気分。遊歩道の木々もまだ芽吹いていません。

それでも3月下旬には少しずつ緑が増えます。

そして暖かくなると爽やかな緑色をした新芽が勢い良く芽吹き、5月には新緑に囲まれます。

夏の払沢の滝

梅雨どきの6月(初夏)になると、水量も豊かになり迫力も増します。下の写真は梅雨で増水した払沢の滝です。

遊歩道周辺では、綺麗に咲くアジサイも見ることができます。晴れた日に行けば、新緑がキラキラとして、遊歩道の景色も一年で一番美しいと言えるのではないでしょうか。

夏真っ盛りになると緑も濃くなり、水量も安定します。払沢の滝は谷間を流れる沢沿いに上流へ15分ほど進んだ先にあるので、滝つぼの近くは涼しく感じます。
岩の階段を進んで滝の目の前まで行くと、天然のミストを浴びることができてさっぱりと心が洗われる気がします。

暑い時は綺麗な水で遊びたくなりますが、払沢の滝から流れている沢の水は地元の方たちが生活用水として使用するので川遊びやバーベキューはできません。

暑い中遊歩道を歩いたら、滝つぼの近くに東屋(屋根とベンチがある休憩所)があるので、水の流れる音を聴きながらちょっと休憩するのも良いですね。

秋の払沢の滝

払沢の滝につながる遊歩道は、ウッドチップが敷かれていてとても歩きやすい道です。少し段差や階段がありますが、激しい起伏はありません。

モミジなど紅葉する木もあるので、紅葉の時期には赤や黄色に美しく染まります。

滝の水量は落ち着きますが、赤、黄色、緑など様々な色に囲まれ美しい景色となります。紅葉した葉が落ち、水面に浮かんだり川に流れたりしている様子も綺麗なので足元にも注目してみてください。

冬の払沢の滝

檜原村の冬はとても厳しく閑散期となります。でも、そんな時期によくあるのが、「払沢の滝は凍っていますか?」というお問合せ。払沢の滝、凍ることがあるのです。凍った滝のことを氷瀑と言いますが、それがこちら。

この写真は2018年2月2日に撮影されました。2018年は特に厳しい寒さで、1月28日から結氷率が100%となり、そのあとも数日間は凍ったままで、さらに雪が降ったのでとても幻想的な風景となりました。まるでここだけ別世界のようです。

ちなみにその年の1月23日の写真がこちら。

このように冬は水量が少ないので、岩についた水滴が少しずつ冷えて氷となり、だんだん分厚くなっていきます。朝晩は冷えるので凍っていても、昼に気温が上がると溶けてしまうこともあります。なので、氷瀑は何日も寒波が居座ったとき、条件がそろったときにしか見ることができません。

氷が張り付く横幅や、滝つぼの氷の厚さなど、どのくらい凍るかによっても滝の表情は変わるので、冬の払沢の滝では神秘的な自然の力が感じられます。

どの季節もそのときそれぞれの魅力がある払沢の滝。遊歩道はちょうどいいお散歩、森林浴にもなりますので、檜原村にお越しの際はぜひ訪れてみてください。

払沢の滝の詳細はこちら

払沢の滝のライブカメラはこちら(役場ウェブサイトへリンク)

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言中、またはそれに準ずる場合においては、不要不急の来村はご遠慮ください。

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