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大自然の恵みを込めた秘境の釣り堀『トラウトファーム秋川』

ライター:淺倉拓馬(TreenessLife089)

檜原村には釣り堀が3か所あり、どこも北秋川沿いに位置している。そのうちの一つが『トラウトファーム秋川』だ。5月から10月はほぼ毎週末予約で埋まってしまうほどの人気スポット。駐車場は11〜13台ほど停められる予約制の釣り堀兼バーベキュー場で、一度に50人程度が利用できる。釣り堀には養殖しているニジマスとヤマメの2種類の川魚を放しており、ゴールデンウィーク前から10月までの期間は「ニジマスのつかみ取り」が出来る。釣り堀や魚のつかみ取り、川遊びと一緒にバーベキューができるのが魅力の一つだ。檜原村の綺麗な水や空気を凝縮した、釣りたての焼き魚は絶品だ。

辿り着いた先は檜原村

大学を卒業して、さぁ何をしようか。中野康平さんがトラウトファーム秋川のオーナーとなったきっかけは、学生時代に父親がこの地に連れてきてくれたことだった。

「初めて来た時に、この河原の地形に魅了されたんです。」

秋川の上流でこれだけ河原が広くて、つかみ取りも出来る場所は珍しい。

「その時に食べたヤマメの塩焼きが忘れられなくて、印象として大きかったんです。」

中野さんのお父さんはフライフィッシングが大好きで、当時のトラウトファーム秋川のオーナーと知り合いだった。釣り堀を手放すということを聞き、お父さんに背中を押され、中野さんはオーナーになる決意をした。2012年から中野さんがオーナーとなり、ちょうど11年が経つ。スタート当初から、村外の自宅からほぼ毎日通っている。昔から自然に囲まれた地に別荘を持ちたいというお父さんの夢も叶え、現在では男のロマンが詰まった建物がトラウトファーム秋川を輝かせる。

一年目はお客さんがほとんど来なくて不安になることもあったそうだ。「前のオーナーの常連客すら来ないの!?」と思うことすらあった。翌年からはようやく夏休みの平日も予約が入るようになり、顧客が安定して増えていった。最初の焚きつけに慣れていない顧客にはガスバーナーと団扇を貸出したり、魚をさばいている時に捌き方や内臓の部位を教えてあげたりする。ちょっとした心遣いが利用者の一日をより満足度の高いものとする。現在では、5月〜10月の予約はいっぱいになってしまうそうだ。

その名の通り東京都を代表する養殖場

ヤマメの養殖をしているのは檜原村で中野さんただ一人だけ。他の釣り堀や旅館、お食事処で出される一部のヤマメも中野さんのトラウトファーム秋川からだ。さらには東京都で個人が受精卵からヤマメの養殖を行なっているのはたった2か所だけだそうだ。勿論、ニジマスも稚魚から養殖している。

「魚を安定して育てられるようになりたい。」

当初、魚の養殖用に川の水を殺菌して使用していたが、魚が病気にかかり大損失を受けたことがあり、水を沢の水に変えることを試みたそうだ。沢の水は綺麗で、年間を通して適温なので魚が健康的に育つ。現在は沢の水だけを引いて養殖に使用しているため、他の養殖場に比べて保有出来る魚の量は大分少ない。実際に、川の水を使用している時より、養殖する魚の量は1/3程度にまで減少してしまった。しかし、その分健康的で綺麗な状態を維持したヤマメやニジマスが多くなった。大量の魚を保有している養殖場の魚は、胸ビレなど部分的にヒレが無くなっている個体が多いそうだ。

11年の月日と11回の挑戦

釣り堀には魚がいて当然であると大抵の人は思うであろうが、中野さんは毎日養殖している魚の健康をチェックし、今日まで安定供給を続けている。

「6月は特に水温が上昇し病気が出やすい時期だから忙しくても気が抜けないですね。その上、ヤマメはニジマスに比べて成体になるまで時間がかかるうえ、病気にもかかりやすいんです。」

釣り堀の池に放されているヤマメは受精卵から約1年半養殖場で育てられている。一つの池で一匹でも病気にかかっていると、他の魚も病気になってしまうことがあるそうだ。過去にアライグマが養殖場の上段にいる稚魚を襲い、次々に病気が広がっていったこともあるから常に気が抜けない。

受精卵から育てるヤマメは年に一度きりのチャンス。失敗すれば翌年まで待たなければならない。毎日訪れる楽しみと緊張感で一年間があっという間に過ぎてゆく。今はこれ以外に考えることはないという。

「良い時間」とは自分が幸せだなぁと思う事を積み重ねていくことなのだろうと、中野さんと話して感じた。

檜原村の大自然の中で最高に新鮮な川魚を味わってみたい方、

トラウトファーム秋川へようこそ!

取材・文/淺倉拓馬(TreenessLife089)

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