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五感を使ってリフレッシュ。山間の温泉へ。

ライター:檜原村地域おこし協力隊(土井智子)

檜原村を訪れる人の中には、この施設を目当てにくる人も多いのではないでしょうか。ハイキング後や檜原でたっぷり遊んだ後にさっぱりとリフレッシュできるその場所は、檜原村の南側を奥多摩周遊道路方面に進んだ数馬地区にある「檜原温泉センター数馬の湯」。全国からエントリーされた「温泉総選挙2021」で「リフレッシュ部門第5位」に選ばれている。日帰り温泉なので、手軽に立ち寄れるのは嬉しいところ。平日は村の人がゆっくりお湯につかり、ご飯をたべてリフレッシュする場所としても人気。そのどこか懐かしくなるような光景を目にすると、一瞬ここが東京であるということを忘れる。そんな数馬の湯の支配人が2022年1月より交代されたと聞き、さっそく新支配人・鈴木敬(たかし)さんに会いに行ってみた。

村に戻って新たなチャレンジ

オープン時間には食堂全体が温かくなるように、薪ストーブに火を入れる。3月でもまだ寒い檜原では欠かせない仕事の1つだ。取材前日は前の晩から冷え込み、朝、敬さんが出勤されたときは雪が道路にあったという。そんな肌寒い日でも一歩館内に入ると、木のぬくもりがあたたかく、食堂の薪ストーブの炎を見ているだけで癒される空間となっている。

土井(以下、土)「敬さん、今年の1月から支配人になられたとのことですが、慣れましたか?」

敬「まだまだですね。今も前支配人の岡部代表取締役に聞きながらやっています。」

土井「敬さんは、数馬の湯で働きはじめたのが2018年で今年で4年目だそうですが、それまでは村外に住んでたんですか?」

敬「そうなんです。大学進学と同時に村外に出てそのまま就職して、ずっと村外に住んでいました。」

土「そうなると長い間、村から離れていたわけですが、何か村に戻ってくるきっかけがあったんですか?」

敬「両親に村に戻ってこないかと言われて、よし、戻ろうと決めました。」

土「そういうタイミングだったんですね。村外ではどんな仕事や暮らしをしていたんですか?」

敬「今とは真逆の生活でした。会社の同じメンバーとしか会わないような仕事だったので、毎日毎日が同じような感じでした。」

土「今は毎日違う人と会ってますよね。これまでとまったく違う仕事をするというのはどうでしたか?」

敬「最初は抵抗がありましたね。接客はやったことなかったですから、常連さんや地域の人の顔を名前を覚えるのが大変でした。」

そう話すのが今では信じられないほど、敬さんは親しみやすく笑顔で常連さんに声掛けしている。その日も地域の人が、敬さんとの掛け合いを楽しんでいた。

檜原村らしい新たな温泉をめざして

数馬の湯では敬さんが支配人になった今年2022年1月から檜原村らしい新たな試みを始めた。もともと数馬の湯の泉質はアルカリ性単純泉でとろみのあるお湯で、神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復などの効用があり、それを薪で沸かしているので肌あたりが柔らかく、湯上りはつるっとしているのが特徴だ。そこに、生ヒノキの輪切りを浮かべ、見た目にも新しい温泉が誕生したのだ。

土「これは面白い試みですね!どんな経緯で生まれたんですか?」

敬「今年、村長とお話する機会がありまして、その時に、温泉に檜原の檜の薪を浮かべたらどうだろうというヒントをいただき、薪だと皮があるので、直接触れても安心なように皮をはぎ、見た目も輪切りの方がいいだろうと、今の形で試験的にやっています。」

土「乾燥している薪と違って、香りがフレッシュですね!」

敬「そうなんです。これ、実はヒノキの生木をつかっているんですよ。」

土「だからなんですね!まるで檜原村の森にいるような感じがしますね。」

敬「お客様にも好評で、お土産に買って帰りたいというお声をいただき、今試験的に販売しています。」

休日はものづくりでリフレッシュ

土「数馬の湯が”温泉総選挙2021”のリフレッシュ部門で全国5位でしたね!敬さんは休日どんなリフレッシュをしているんですか?」

敬「ガラス玉の作品作りですね。”グラスシード”という名前で作品を作っています。」

土「きれいですね!作品づくりのアイディアみたいなものがあったりするんですか?」

敬「だいたい作品パターンみたいなものはあるんですが、最近は通勤途中にひらめいたりしたものを作ったりしていますね。」

普段の人と会う仕事とは真逆で、一人工房でこつこつと作品づくりを楽しんでいる敬さん。
作品づくりも、支配人としての仕事も、共通して「人によろこんでもらいたい」という気持ちがあるのだという。

五感を使って楽しんでもらいたい

「普段、SNSやネット、テレビなど視覚をフルに使っている人は多いんですが、それ以外の感覚も使って、五感を使って楽しんでもらえたらと思っています。お湯に入って触感を、ヒノキの香りを嗅覚で、村の食べ物で味覚を・・と、実際に檜原村に来て、体感してもらえたらと思っています。」と話す敬さん。お話を伺っていると、常連さんが通りがかり、『はい、ポーズ!』と言ってくれたお陰で、いつもの笑顔の良い写真が撮れた。

新支配人の醸し出すあたたかい雰囲気が、ヒノキの香りとともに、「檜原温泉センター 数馬の湯」全体に満ちていて、温泉のように柔らかくほっこりとした気持ちになった。

【檜原温泉センター 数馬の湯】

営業時間 10:00~19:00(最終受付は閉館1時間前です)
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日が休館日となります)

ホームページ http://kazumanoyu.net/

ライター:檜原村地域おこし協力隊・土井智子

2019年に千葉より檜原村に夫婦で移住し、地域おこし協力隊として村内で活動している。 自然豊かな檜原村で古民家暮らしを満喫し、日々の暮らしを発信中。 https://www.instagram.com/tocoxxhinohara/

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