高さ約100mの岩盤が両側にそそり立つ奇勝「神戸岩」は、2億5千万年前の露出した地層が神秘的な景観をつくりだしている。廊下状の狭い谷には神戸川の清流が岩盤を響かせながら駆け下っている。その流れに沿って遊歩道があり、鎖を頼りに通り抜けることができる。帰路は林道のトンネルを通れば戻ることができるが、カーブしたトンネルなので数メートル暗闇になる区間があるため足元に注意が必要。雨の日や雨が降ったあとは水たまりがあったり、頭上から水が落ちてくることがある。
下手から見て右側(南東側)の戸岩は、高さ約100m、幅は上部で約40m、峡谷部の長さは約60m、幅は谷底で約4m。谷底の岩根はひと続きになっている。長さは短いですが急流のためにできた甌穴もあり、典型的な峡谷をつくっている。
戸岩(岩戸=岩の扉)が半ば開きかけたところといった感じがするこの岩は、下手からこの隙間を通して見る奥地の延長線方向に大岳神社があるため、ここを神域への出入口と見立て、神域の戸岩=神の戸岩=神戸岩という説がある。
また一方では、大岳神社は、以前は小字大屋敷の辺にあったため、その付近(今いう神戸部落の地域)を神戸と呼んだその神戸にある戸岩だから神戸の戸岩=神戸戸岩=神戸岩となった等ともいわれている。
昭和35年2月13日には東京都教育委員会より都天然記念物神戸岩として指定された。
ここの岩質はチャート(火打ち石)層であるから極めて硬質である。そのため川水や風雨による侵食にもよく耐えて、このように峡い谷をつくり、屹立した岸壁(戸岩)を残した。
弘法大師が護摩修法を行ったと伝えられ、岸には、護摩壇と呼ばれている平坦な岩盤がある。そしてその奥には、龍神を祀ると言う石宮もあり、安永7年戌3月吉日と刻まれている。
名称
神戸岩(かのといわ)
所在地
東京都西多摩郡檜原村神戸8020
駐車場
行き方
「神戸岩入口」バス停より徒歩約40分。
北秋川に沿って都道を上流へ進み、檜原郷土資料館の250mほど先にある神戸大橋(青色)の手前を右折。左手には神戸川に沿って神戸の集落を抜けて山間へ入り、渓流に沿って山奥へ進むとトイレ付きの駐車場があり、そこから徒歩約2分。